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笠原嘉『軽症うつ病』(講談社現代新書)を読む

 今自分がどういう状態なのか?今後どういう過程を経ていくことになるのか?を知るために読んだ本です。ちなみに「軽症うつ病」とは、文字通り外から見てわかりづらいが病気の一種であるうつのことを言います。気分が憂鬱とは違いますので。

さて、まず急性期治療の七原則という言葉からいきましょう。うつになったときに診察室でどんなことが話されているのか。それを七原則であらわしています。
・単なる「気の緩み」や「怠け」でないことを告げる。
・早い時期に心理的休息をとるほうが立ち直りやすいことを告げる。
・予想される治癒の時点を告げる。
・治療の間、自己破壊的な行動をしないと約束する。
・治療中、一進一退のあることを告げる。
・人生にかかわる大決断は治療終了まで延期するよう告げる。
・服薬の重要性や副作用について告げる。

 心理的休息は最低1ヶ月、あまりにも治りの早すぎる人は再発の可能性が高い、直線的によくなる病ではない、と著者は言っています。私も七原則を現在通院する心療内科で告げられました(その前の心療内科ではいくつか告げられませんでした)。 昨日あたりから私は「おっくう」感を感じ始めました。一進一退なのでしょう。うつには、不安とゆううつとおっくう感の三要素があるそうですが、おっくう感を抑える薬はまだないそうなんです。つまり、時間をかけるしかないらしい。

もう一つ。職場復帰にリハビリなしで行くのはかなりの冒険だということです。気分の波がおさまったころ再発しやすいので、リハビリが必要のようです。私は9月復帰を念頭においていましたから、そういう焦りに似た感情は一度置きたいと思います。

読みながら、パニック障害による過呼吸やアパシー(無気力)など1学期に経験したものが次々に出てきました。じっくり、ゆっくり、治療だと自分を見つめ直したところです。責任感の強い人、真面目な人ほどうつになりやすいとか、『できる人ほどうつになる』(小学館文庫)など目にして悪くない言葉もありますが、当の本人は治癒したいと思っているわけですから、治療のために焦らず自分を見つめ直すことだと思います。

by maksy | 2007-08-08 15:38 | 書籍・雑誌  

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